少年時代 ロバート・R・マキャモン

少年時代〈下〉 (ヴィレッジブックス) 少年時代〈上〉 (ヴィレッジブックス)
★★★★☆
マキャモン版スタンドバイミーといった趣だが、こっちの方が爽やか。
主人公の少年が先生と喧嘩して、両親にものすごく怒られるんだけど、少年の言い分は全く聞いてもらえないというシーンを読んでしきりに反省。私もこれやってるよなぁ。もっと子供の話を聞くようにしないと。

三月は深き紅の淵を 恩田陸

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
★★★★☆
なんといってもタイトルが秀逸。ミステリアスで何故かぞくっとする。幻の本をめぐる複数の物語という設定も、本好きにはたまらない。第4章は、ちょっとタイトルに引きずられて懲りすぎてるような気がしないでもないが、作者の人物像が垣間見えてくるところはなかなか面白い。

魍魎の匣 京極夏彦

分冊文庫版 魍魎の匣(下) (講談社文庫) 分冊文庫版 魍魎の匣(中) (講談社文庫) 分冊文庫版 魍魎の匣(上) (講談社文庫)
★★★★☆
高くつくのは分かってるけど、電車で読みやすそうなんでついつい分冊版を買ってしまった。なんか無駄遣いしてる気がするけど、面白かったからいいや。
にしても、関口君は察し悪すぎ、まぁワトソン役だから仕方ないかとも思うけど、あまりにも鈍くってわざとらしいんだもん。

終戦のローレライ 福井晴敏

終戦のローレライ(4) (講談社文庫) 終戦のローレライ(3) (講談社文庫) 終戦のローレライ(2) (講談社文庫) 終戦のローレライ(1) (講談社文庫)
★★★★
非常に重いテーマであるにもかかわらず、爽快感を感じさせるのは、スピーディな展開と魅力的なキャラクターたちのなせる技か。勧善懲悪ではなく、どちら側のキャラクターも自分の生き方を信じつつも、他者との繋がりを求める脆さを兼ね備えているところも説得力がある。
ちょっと残念なのは、若い男女の恋愛に重きが置かれているので、その分「イージス」に比べて物語にチープな印象が漂っていること。まぁ、その辺は好みによるだろうな。