2006-01-01から1年間の記事一覧

ジョン平とぼくと 大西科学

★★★★ この手の本には、今まで縁がなかったので、買うのにちと勇気が要りました。 魔法使いのいる世界に科学を持ち込むあたりが、さすが大西さんという感じ。 ジョン平の特殊能力については、おいおい明らかになるのかしら?気になるところです。

神無き月十番目の夜 飯嶋和一

★★★★★ 小生瀬の人たちの運命がわかっていながら読み進めるのは、とてもつらかった。藤九郎が何とか村を救おうと苦心する程、事態は悪いほうに転がってしまい、読んでいると怒りや悲しみで胸が苦しくなってくる。でも読まずにはいられない。そんな引力を感じ…

告白 町田康

★★★★ はて、熊太郎は極度に思弁的ということらしいけど、考えてることがうまく言葉にできないなんて、よくあることのような気がする。思ったままを口にして生きてる人なんてそうそういないでしょう。私も、「はたしてこれが自分の本心なんだろうか?」とかよ…

ベルカ、吠えないのか? 古川日出男

★★★★★ 主人である人間に翻弄されながらも、野生の本能を目覚めさせていく犬たちがかっこいい。 犬の歴史を通して人間の歴史が描かれているところが新鮮。

陽気なギャングの日常と襲撃 伊坂幸太郎

★★★★ 来ましたねぇ、続編。 これだけ濃いキャラ揃えて一冊で終わったらもったいないしね。相変わらずの惚けた会話が楽しい。展開には無理があるけど、そんなことはどうでもいいのさ。

魔女は夜ささやく ロバート・R・マキャモン

★★★★ ラストのビドウェル氏の変わりようが、都合よすぎてちょっと不満。でもまぁなんだかんだあっても、最後は「ええ話やわぁ」と思えるところが好きだな、この作者。 相変わらずの寡作っぷりで次がでる気配がないんだけど、やっぱ引退なのかなぁ。もったい…

ワイルド・ソウル 垣根涼介

★★★★ テーマがテーマだけに重苦しい話なのかと思ったら、ラテン系キャラのおかげでうまい具合にエンターテイメントになってるところが予想外で良かった。 事件が起こるまでが長かったから、いったいどんなことをやらかすのかとかなり期待したんだけど、蓋を…

第三の時効 横山秀夫

★★★★ 長編も面白いけど、やっぱりこの人は短編が断然良い。 登場人物達のぶつかり合いや葛藤、緊張感がストーリーと相まって絶妙の効果を発揮してると思う。 本格とはちょっと違うけど、読ませるミステリという感じ。

空飛ぶ馬 北村薫

★★★★★ 実は北村薫初挑戦なんですが、まさかこんなに面白いとは。 ひさびさにうーんと唸らせるミステリを読んだ気がする。 しかも文章がとても綺麗で、主人公やその周りの人たちもとてもいい感じ。 これははまるかも。

イン・ザ・プール 奥田英朗

★★★ 天然なのか、意図してるのかよくわからない伊良部のキャラが、面白いんだけど、いまいち好きになれない。 笑えることは笑えるんだけど、展開がワンパターンだし。 読ませるし、うまいなぁとは思うけど、さほど印象には残らないって感じです。

銀河ヒッチハイク・ガイド ダグラス・アダムス

★★★★☆ いくらでもSF超大作に出来そうなストーリーを、コメディにしちゃってるところが何とも贅沢でいい。こういうばかばかしいお笑いって大好きです。

クリスマスのフロスト R.D ウィングフィールド

★★★☆ ありがちなキャラではあるけど、フロストのだらしなさっぷりが愉快な一冊。次から次へと事件が起こるので、結構長いけど飽きずに読める。 ただ、メインの事件については、勘を頼りに行き当たりばったりに行動したら、偶然解決にぶち当たっちゃったって…

レキオス 池上永一

★★★★☆ うわぁ、とにかくものすごい小説。でもせっかくこれだけ壮大な話なんだから、もっと書き込んだ方が良かったんじゃないかな、という気がする。場面の切り替わりが唐突過ぎて、「え、いつの間に?」と置いていかれることしばしば。って私がついていけて…

川の深さは 福井晴敏

★★★★ 熱い男たちのドラマは実質デビュー作でも健在です。おじさま方が好きそうなテーマだよねー。いや、勿論私も好きなんですが。 ちなみに私の場合川の深さは腰まででした。

私が殺した少女 原りょう

★★★☆ 以前から気になってはいたんだけど、タイトルのせいで何となくしり込みしてた本。しかし、読んでみると意外と軽いタッチの話だし、主人公も憎めないキャラで結構楽しめた。でも落ちはちょっと無理があるかな。