生ける屍の死 (創元推理文庫) 山口雅也

ずいぶんと人を食った話だなこりゃ。主人公は即効で死んじゃって自分で犯人探ししだすし、次から次へと死体が起き上がってうろうろするし。すっとぼけた会話にはつい噴出してしまう。かといってはちゃめちゃな訳じゃなく、ミステリとしてはかなり本格。死体が蘇るのに人を殺して何の意味があるのか、という疑問にもきちんと答えている。
個体の死があって、初めて種の永続性が得られるという言葉が印象的。