オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎 ISBN:4101250219

思わず「んなアホなっ」と言いたくなるような話なのに、なんだかすんなり受け入れてしまえるのは、この作者の飄々とした文体のせいかな。この本がデビュー作らしいけど、なんて変な人なんだ。(一応ほめてるつもり)
でもその不思議で切ない舞台もさることながら、私は城山のことが気になって仕方がなかった。実際、城山のような恐ろしい人間がいたら、身を守る術はあるのだろうか。犠牲者は運が悪かったと諦めるしかないのか。
もちろん世の中悪い人ばかりじゃないし、そんなに捨てたもんでもないとは思うけど。あぁ、だからこんなラストなのか。